捏ねずに美味しいパンは作れるのか

捏ねずに作るシンプルプチパン

捏ねずに作るシンプルプチパン

先日、ホームベーカリーの「羽根」を紛失してしまいました。早速メーカーに注文しましたが…そんなわけで数日間ホームベーカリーはお休みしていました。紛失の理由はおそらく食器を洗っているうちに排水溝に落として、排水溝の網に溜まったゴミと一緒にゴミ袋に入れてしまったからではないかと思われます。数年前にはフードプロセッサーの蓋も紛失し、メーカーに注文しました。これは次女が1歳の頃何でもゴミ箱に入れるブームの時にゴミ箱に捨てたんだと思います。こちらはアマゾンから注文できたのには驚きでした。その他、魚焼きグリルの網とか、ホームベーカリーの計量スプーンとか、ペンタブレットのペンだけとか、私はけっこうパーツを破損させたり紛失しては取り寄せている、ダメ人間です…。

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それでも捏ねたくない無精者

ホームベーカリーの羽根が無いのでは捏ねられません。乳幼児を抱える3児の母としては朝から手捏ねなんてしている余裕はありません。3日連続でご飯+魚の朝食だったので家族も飽き飽きしていたので、スーパーの5個入100円の袋入りのパンを久々に購入。いつものパンに慣れていると何とも味気ないスカスカした食感に一同沈黙。5個入100円がむしろ高く感じてしまいました。

翌日、今度はパン屋さんで一斤280円食パンを購入。前日の袋パンに比べれば美味しいけれど、280円あれば、3斤分の小麦粉が余裕で買えるのに…なんてケチなことを考えてしまいました。しかしこの食パンはけっこう美味しかったのか、朝食にする前に消えて無くなっていました。

まだ羽根が届かなかったので、重い腰を持ち上げて、パンを焼く事にしました。それでも捏ねたくないので、思い切って捏ねずに焼く事にしました。

捏ねなくても「グルテン膜」は形成される

パンを捏ねることでグルテン膜が形成され、気泡を閉じ込め、パン独得の生地を作るので、パンづくりに「捏ね」は絶対条件なんだと思っていましたが、どうやら捏ねなくても、粉に水をまぜてひとまとめにしておくだけでもグルテン膜自体は形成されるようです。だたし時間がかかるのです。2時間くらいは放置しないといけません。

冷蔵庫で生地を寝かしながら長時間発酵

捏ねる手間は無くても寝かせる時間はあるので、寝る前に強力粉に水と酵母と砂糖と塩を混ぜて冷蔵庫で長時間発酵させれば、寝ている間にグルテン膜は形成されついでに一次発酵もできます。朝起きて、整形→二次発酵→焼成して完成です。

ちなみに寝る前に仕込んで朝に焼くのであれば、生地は野菜室に入れた方が良いみたいです。通常、野菜室は7~10℃、冷蔵室は2~4℃ですから。今回私は冷蔵室に入れてしまったので、寒すぎたらしく少々発酵不足でした。そして冷蔵庫から出した生地は冷たかったので二次発酵には1時間以上要してしまいました。(最後、予熱中のオーブンの上に乗せて発酵を急加速させました)

長時間発酵のおかげで旨味があって美味しい

家族はからは「捏ねないパンだなんて手抜きパンだ」なんて言われましたが、食べてみるとこれがけっこう美味しくて驚きでした。長時間熟成することで小麦の旨味がしっかりしていて、ツンとする酵母の香りも無いのです。(私は「とかち野酵母」の場合のこの香りがけっこう好きだったりもしますが)ザックリした食感もまたよろしいです。

こねない2

ただし生地は不安定

グルテン膜が出来ているからといっても、捏ねていないので生地は貼りが無く脆弱です。なんだか不安定な生地なんです。丸めるくらいなら問題無いですけど…伸ばしたりする整形パンにはあまり向かない手応え…。それにバターや卵がたっぷり入ったパンの場合は、やっぱり生地を捏ねてしっかり強い生地を作ってやらないとうまくいかないでしょうね。捏ねないパンは素朴でリーンなパン限定の製法だと思います。

捏ねないパンの将来性は明るい!

あえて捏ねないで、もっと水を増やして、型や鍋に入れてドーンと焼いてザックリしたブールやカンパーニュみたいなシンプルで素朴なパンを作ると良さそうな予感です。

でも、こうなると手間はかからないとはいえ、大きな冷たい生地の二次発酵には時間がかかりますし、早朝からオーブンを1時間近くも稼働させるのもどうかと思いますから…これは日中やってみようと思います。

結論…

捏ねなくても長時間寝かせることでおいしいパンを作る事は可能です。というより、むしろあえて捏ねずにこういった素朴な滋味深いパンを作るのもアリだということを知りました。

そういえば、リュスティックもあまり捏ねないで長時間発酵させて作りますっけね。(本格的なリュスティックって何度も寝かせて熟成させて…ってけっこう手間がかかりますけど。)

「怪我の功名」とはまさにこのことです。さようならしたホームベーカリーの羽根は私に「捏ねなくても美味しいパンが作れるんだよ」と置き手紙を残してくれたようです。

でも朝に丸パンを食べたい私としては、やっぱり安定感のある生地の方が失敗無いので、ホームベーカリーの羽根には引き続きお世話になります。

捏ねない、ということは意外と「時短」には繋がらなかったのですが、いつか「時短」の製パンについても研究してみようと思います。

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捏ねないシンプルプチパン

満足度
95%

ザックリした食感。長時間熟成により旨味と深みがあって美味しいです。

 本日の個数

10個

  本日の材料

シンプルプチパンの材料です。

強力粉 300g
とかち野酵母※ 1回分(※5g)
135g(※185g)
砂糖 18g
4.5g
仕上げ用強力粉 適量

※はドライイーストの場合。

  本日の焼成温度

焼成温度 190℃200℃
焼成時間 15分18分

 本日の発酵条件

室温 20℃
湿度 48%
2次発酵 1時間15分
2次発酵の場所 調理台(室温):1時間
オーブンの上:15分
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コメント

  1. すず より:

    とっても為になりました。私も羽根を紛失したり子持ち、けれどこねないなんて不味いと思っていたので。ありがとうございます(^-^)

    • yucco より:

      すずさん、こんにちは。
      羽根紛失仲間がいて嬉しいです。

      捏ねないパンは捏ねるパンとはまた違った、捏ねないパンならではの
      食感や味わいがあると思います。
      羽根を紛失しなかったら作る事はなかったであろう「捏ねないパン」ですが、
      今ではあえて捏ねないパンを作っているくらい美味しいですよ〜♪

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