発酵
発酵(はっこう)とは、狭義には、酵母菌(イースト菌、乳酸菌)などの微生物が嫌気条件下でエネルギーを得るために有機化合物を酸化して、アルコール、有機酸、二酸化炭素などを生成する過程である。 広義には、微生物を利用して、食品を製造すること、有機化合物を工業的に製造することをいう。
パン酵母は糖類を酵素により分解することで、(小麦粉に含まれる酵素もこの反応を手助けします。)糖類が分解され際、化学反応で発生されるエネルギーと同時に炭酸ガスも発生し、これがパンをふくらませます。(炭酸ガスの他に、風味や焼き色のもとになるアルコールなどの成分も生成されます。)
パン酵母の発酵適温は30℃前後で、温度が10℃以下になると発酵は停止します。また60℃位まで上がると死滅します。
過発酵
発酵時間が長すぎて、パン生地が発酵しすぎた状態。
- パン生地の温度が高すぎたり、酵母の量が多かったりしても過発酵になります。
- 全粒粉やライ麦粉が入っていると発酵が進みやすいです。
過発酵の症状
発酵しすぎて炭酸ガスとアルコールも発生してしまうので。
・イーストの匂いが強い
・酸っぱい匂いがする
・膨らみが悪く潰れてしまう
・パサパサでスカスカ
ホイロ
生地の最終の熟成段階(二次発酵)のこと。 また、発酵させる場所(機械)。
パン生地を整形すると、グルテンが分断されてしまうので、整形作業後すぐに焼成すると生地は膨らまず固い食感になってしまいます。再度生地を発酵…「ホイロをとる」ことで、膨張させてグルテン構造を柔らかくさせます。また、ホイロをとることでアルコールが生成されるので風味や香りも良くなります。
語源
「焙炉」お茶を煎るための道具。パンの伝来後、パンの製造に使われる道具やその機能が元々日本にあった「焙炉」と似たところがあったところから、焙炉の名をその道具にあてたものが語源と考えられます。
パンチ
発酵中、生地の中に充満したガスを、生地をつぶすことで、大きな気泡をキメの細かい気泡にします。そのとき、新たに空気中の酸素も取り入れます。何度か生地をつぶすことによって、グルテンを強化して生地を鍛える役目もするので、ボリュームのある焼き上がりにもまります。生地を「つぶす」のが基本で、捏ねたり打ち付けたりはしてはいけません。