絵本には、子どもだけでなく大人も楽しめる魅力があります。親として子どもに読み聞かせるだけでなく、何歳になっても絵本の魅力を味わってゆきたいものです。
食べ物に関する絵本はとても多いですが、その中でもパンやお菓子がテーマの絵本は皆が大好きだからでしょうか、本当にたくさんあります。(「ホットケーキ」も絵本によく出てきますよねー)今回は「パン、おいしそう!」が楽しめる絵本を選んでみました。ご参考までに!
からすのパンやさん
加古 里子 (著)
パンの絵本で真っ先に思い浮かぶのはこの本。その昔、私が小学校一年生の時、神戸から東京に転校する時に担任の先生から「好きな本、買ってあげる」と言われ、選んだのがこの本。「これから2年生になるというのに絵本なの?」なんて半ば呆れて言われたけれど…。将来私が菓子メーカーでデザイナーになって、こうして家族に毎日パンを焼いていることを先生はどう思われるでしょうね。途中にある、80種類以上ものパンが描かれている「たのしいおいしい パン」の見開きページには思わず目を奪われます。あれから30年…いつみても夢が膨らみます。
パンめしあがれ
「めしあがれ」シリーズの第2作目。絵だからこそ表現できる「おいしそう」が伝わる絵本です。シズル感たっぷりなイラストが、リアルよりリアルに食指がそそる…なんだか眩しい表現なんです、これが。さらに、ちょっとノスタルジックなシーンが懐かしいです。(最近の本なんですけどね)細かくてとても良質な絵ですから、1歳くらいから、歳に応じた楽しみ方ができそうです。
ぼくのぱん わたしのぱん
「きょうはなんのひ?」で有名な林明子さんの絵本。70年代は一生懸命に夢中になって描いていて、80年代は本当に楽しそうで、90年代は絵が上手すぎです…。変わってゆく林明子さんの画風が面白いですが、どの年代も共通している繊細な表現が愛おしいです。「ぼくのぱん わたしのぱん」は3兄弟がパンづくりをする絵本です。パンづくりの行程が細かくわかりやすく表現されています。素朴にしてリアルなパン生地やパンの絵がたまりません。
パン どうぞ
木版画で描いたパンパンパン…。木版画の素朴でふんわり優しい表現、絶妙なインクのカスレっぷり…これほどにも木版画の風合いが、パンの美味しさの表現とマッチしているだなんて!と何度も何度も眺めてしまいます。絵本というより木版画の作品集…。
ぎょうれつのできるパンやさん
ふくざわ ゆみこ (著)