パンチの効果
リュステックの生地は、水分が多いので通常のパン生地のように一生懸命こねません。水分が多いので扱いにくいとはいえ、成形を気にしなくて良いので本格ハードパン的なわりに意外と簡単だなーと思います。捏ねの手間は無いのですが、一次発酵の途中2、3度パンチしてから切り分けて二次発酵し焼成します。それが少々面倒で手間です。
パンチをすることで得られる効果は…
- 砂糖や油脂を含まない水分の多いリーンな生地でも強度が増して、伸びる力と弾力がつくのでふんわりと膨らみやすくなる!
- パンチの際に、生地に新しい空気と様々な菌も取り込まれ、イーストが活性する上に、複雑な風味と旨味をもたらす!
パンチをするのとしないのとでは食感と味わいの深みが違うのですね!
リュスティックの一般的な製造工程は…
混ぜる→ねかし→パンチ→ねかし→パンチ→ねかし→パンチ→一次発酵→ベンチ→成形→二次発酵→焼成
意外と簡単だなー、なリュスティックですが、マメに面倒をみないといけないのが残念です。基本に忠実になると、一日パンにつきっきりになってしまいます…。そこで「捏ねない長時間低温発酵熟成パン」製法でリュスティックを作りました。時間こそかかりますが、行程を工夫しまして…仕込みを前夜にして一次発酵以降は朝起きてからの作業する、ということでとてもスムーズなリュスティック製造が可能です。
パンチをしないとどうなる?
私は本当にずぼらなので極力面倒な作業はしたくないのです。とはいえ妥協して不味いパンは食べたくはありません。
「実はパンチ無しでもいいいんじゃない?水分多いからとりあえずもっちりはしそうだし…
ということで、パンチ無しで切りっぱなして焼いてみました。
で、どうだったかというと…パンチ無しだとダメなのかというとそうでもないのですよ、これが。
外はパリ!中はむっちりもっちりしっとり!
それはそれでとても美味しい個性的な食感のパンなのです!これがリュスティックなのかというとそうではないかもしれませんが、不味いパンなのかというとそうではありません。そうですね、パンチ無しだと餅っぽさがある食感です。写真でみるより、食べてみると、パンチ有無の違いが良くわかります。
でも、パンチありの食感も捨て難いので…
なるべく面倒な作業はしたくないずぼらな私でもパンチありのリュスティックの食感は諦めきれません…。ということで…
冷蔵庫の野菜室での発酵前、1時間のねかしの間に一度パンチして、冷蔵庫に入れる前に再度パンチをするという、最低限の手間(パンチ)をかけてみることにしています。
これだけでも一次発酵後の生地はグルテンが強化され、伸びやかで艶やかな生地になります。焼き上がりのクラムには程良い大きさのキメの細かい気泡が内包されて、しっとりふんわりとした食感になります。リュスティックらしいボッコボコの気泡ではありませんが、個人的にはむしろこのくらいの「消極的にランダム」(なにそれ?)な気泡の食感が好きです。
暖かい日
今年の札幌は雪が少ないです。暖かい日が続いています。この時期、雪じゃなくて雨降っているんですから。滝野すずらん公園のチューブそり、雪が固くてお尻が痛かったです。ちなみに私が言う「暖かい日」は0℃以上の日、ということなので、当然十分寒いですのであしからず…。-5℃くらいだと刺すような寒さなので、「本当に」寒いなー、と思います。