普段使いの3つの酵母

3つの酵母を使っています

自家製酵母やスーパーで売っているドライイースト等色々使って、たどり着いた末、私はその日の気分や都合に合わせて3つの酵母を使い分けています。

①とかち野酵母

②赤サフ

③ホシノ天然酵母

酵母起こしに使う水の量がそれぞれ違います、からパン生地に配合する水の量は使う酵母に合わせて調整しています。

①とかち野酵母(野生酵母)

十勝の厳しい自然の中で自生するエゾヤマザクラから採取された花果実から分離された酵母菌の中から発見された酵母です。「地元で食するパンは地元産の素材で作れないか」という帯広畜産大学と北海道農業研究センターの取り組みにより発見されました。この酵母は人手をかけた品種改良は行っていない、いわゆる野生酵母です。

フルーティーな香りと安定した発酵力が魅力

自然界から分離された酵母には珍しく、発酵力に優れていてとても扱いやすいのが特長。そして私がこの酵母が大好きなところは、安定した発酵力もさることながら、きめの細かい生地と、焼き上がりのフルーティーな香味…。北海道の厳しい自然を生き抜いた力強い生命力を持った香り高いパンを手軽に楽しむことができる…奇跡の酵母だと思っています。

北海道の厳しい自然を生き抜いた力強い生命力を持った香り高いパンが
手軽に楽しむことができる…なんだか嬉しい気持ちになる。

とかち野酵母は乾燥して眠っている状態。お湯で温めて、砂糖(エサ)を与えると酵母が目を覚まします。予備発酵が必要になりますが、材料を揃えたり量っている15分足らずで発酵します。

日本甜菜製糖株式会社が製造販売しており製菓製パン材料店、ネット通販で入手できます。

予備発酵させた「とかち野酵母」

予備発酵させた「とかち野酵母」

※とかち野酵母の予備発酵の仕方はこちら

とかちの酵母の予備発酵の仕方
◆用意するもの ※基本の生地1回分 とかち野酵母…5g 砂糖…2g(小さじ1/2程度) 35℃〜40℃の温水…50cc ...

②赤サフ(ドライイースト)

今から20年前に初めてのパン作りで、その臭いにがっかりしたもがドライイーストだけど最近その便利さを痛感したものドライイースト。予備発酵が不要で安定した発酵力と手軽さは、なんとなく面倒なパン作りを身近なものにさせてくれます。色々なメーカーから販売されていますが、よく言われる「イースト臭」の気にならないドライイーストがありますから、こちらを使用しています。

とにかく便利です。気になるイースト臭もしません。

フランスのルサッフル社が作るサフはイーストで世界シェアはNo.1です。でも日本のスーパーではカメリヤが主流で、サフは製菓製パン専門店やネットで購入することになります。カメリヤと比べるとイースト臭が少ないです。買ったらすぐ冷凍用ジップロックに入れ、冷凍保存しています。

サフは3種類あります。
赤サフ 予備発酵が不要で扱い易い、一般的なイーストで私はこちらを使用しています。
金サフ 菓子パンなど糖分の多いパンに適した耐糖性のイーストです。
青サフ フランスパン、ハード系食パン等、長時間発酵向きのパンに適しています。予備発酵が必要。
予備発酵について

赤サフ、金サフは予備発酵しなくても大丈夫ですが…予備発酵させてから小麦粉に入れた方が発酵力が強くなるし、ちゃんと発酵したことを確認することができるので失敗も少なくなります。予備発酵する場合は、(300gの小麦粉に対して)小さじ1のイーストとひとつまみの砂糖(2gくらい)をぬるま湯大さじ2(30g)でよく溶いて10分ほどおいてから生地に混ぜます。

③ホシノ天然酵母

果物や穀物に付着している酵母に小麦粉などの穀物粉と水を加えて培養を繰り返し、製パンが可能なガス発生力のある、いわゆる“パン種”、“発酵種”がパンづくりに使用されます。酵母の他に多種多様な乳酸菌などの微生物が増殖していますから、風味や食感に個性があります。家庭でも天然酵母を作る事ができますが、環境と条件で風味や仕上りに差が出てきます。それも味ですが、仕上りの安定感や使いやすさを求めるなら市販の天然酵母がオススメです。

市販の天然酵母

私のホームベーカリーの歴史?の大部分は「ホシノ天然酵母」と一緒に歩んできました。ホームベーカリーを購入したのが新婚さんだった10年前。市販のドライイーストで作ったホームベーカリーのパンがイマイチで、ホームベーカリーではやっぱりお店のパンにはかなわないんだな、とがっかりしながら日々パンを焼いていました。時を同じくして生協で買ったホシノ天然酵母の食パンが美味しくて…。そういえば、「天然酵母機能」がホームベーカリーに付いているな、と思い、ネットで「ホシノ天然酵母」を取り寄せて作ってみたところ…これが美味しくて美味しくて!焼きたてアツアツのホームベーカリーの醍醐味に魅了され、今に至っています。市販のホームベーカリーの「天然酵母コース」はこの「ホシノ天然酵母」を使用することになっています。

麹由来のふんわりと甘い香りとじっくりと発酵させて小麦の旨味を引き出す天然酵母の製パンを失敗無くつくれます!

ホシノ天然酵母は、「酵母菌」「植物性乳酸菌」「麹菌」の3種類の菌を小麦粉や米等で自然培養したものです。麹由来だけあって、酒粕のような香りがふんわります。麹って日本人のソウルフードだからでしょうか、この香りには心が和みます。
自家製の天然酵母って 雑菌が入ったりして酸味が出たり発酵力に安定性も無いし…。初めて天然酵母のパンを焼く人にとって、ホシノ天然酵母はも使いやすい上に天然酵母の良さがしっかりわかる、とても素敵な酵母です。酵母起こしには28℃で24時間、生地の発酵にも時間はかかりますが、仕上りが安定しています。ゆっくりゆっくり発酵することで、焼き上がりのパンには粉の旨味と深い味わいがしますし、パリパリとしたクラストが美味しそう…他には代え難い味わいがあります。

酵母起こし後のホシノ天然酵母

酵母起こし後のホシノ天然酵母

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